2026/09/06 15:22
対馬に暮らしていると、山はいつもすぐそばにあります。
車で島を走っていても、仕事場から外を見ても、目に入るのは深い緑。
対馬というと「海の島」という印象を持たれることも多いのですが、私たちにとっては「森の島」でもあります。
春になるとやわらかな緑が増え、夏には木々の色が濃くなり、秋になると山の空気が少しずつ変わっていく。
ずっとこの島に暮らしている私たちでも、ふと山を眺めて「いい森だなあ」と思うことがあります。
でも実は、森はただ木を残しておけば、ずっと元気でいてくれるわけではありません。
対馬には、人の手で植え、長い年月をかけて育ててきたスギやヒノキの人工林もたくさんあります。
そうした森は、木が育つ途中で間伐をしたり、成長した木を伐ったり、そしてまた新しい苗木を植えたりしながら、人が手を入れて育てていく必要があります。
使われないまま木が増え、森に人の手が入らなくなると、木々が密集し、森の中まで光が届きにくくなります。
だから私たちは、
「木を伐らないこと」だけが、森を守ることではない。
そう考えています。
育てる。
伐る。
使う。
そして、また育てる。
この循環を続けていくことが、森を次の世代へ残していくために、とても大切なことなのです。
私たち対馬木材事業協同組合では、山から出た木材をさまざまな形で活用しています。
建築材として使う木もあれば、製紙用や燃料用のチップになる木もあります。
そして、木を伐ったあとの山には、また苗木を植えます。
一本の木をできるだけ無駄にせず、使えるものは使い、また次の森を育てる。
そんな仕事を、この島で続けています。
そして、その中から生まれたのが「Tsushima Moribito」の木のものづくりです。
大きな建築材としては使いにくい木や、これまで十分に活かされてこなかった木にも、まだまだできることがあります。
まな板になったり。
筆箱になったり。
箸箱になったり。
スマートフォンを置くスタンドになったり。
暮らしの中で使う、小さな木の道具に生まれ変わります。
森の中にあった一本の木が、誰かの家に届き、毎日の暮らしの中で使われていく。
私たちは、そのことをとても嬉しく思っています。
木は自然のものなので、木目も色も一つずつ違います。
節が入っているものもあります。
同じ商品でも、まったく同じ表情のものはありません。
でも、その違いこそ、その木が対馬の森で育ってきた証だと思っています。
毎日使うまな板に、少しずつ包丁の跡が増えていく。
木の色が、使うほどに少しずつ深くなっていく。
そんなふうに、暮らしの中で変化していくことも、木の道具の良さのひとつです。
オンラインショップで商品をひとつ選んでいただくことは、小さなことかもしれません。
でも、その木を「暮らしの中で使うもの」として選んでくださる方が増えることが、対馬の木を活かし、森の仕事をこれからも続けていく力になります。
遠く離れた場所に住んでいても、対馬の森とつながることはできます。
まずは、毎日の暮らしの中に、対馬の木をひとつ。
手にしたとき、木目を眺めながら、ときどきこの島の森を思い出していただけたら嬉しいです。
私たちは今日も、対馬の山で木と向き合っています。
その森から生まれた木の道具を、ぜひ暮らしの中で使ってみてください。